花粉症とピロリ除菌の関係 クリニックのデータで証明!

あさのクリニックの隣にある杏林堂高塚町剤センターに勤務している薬剤師の尾関佳代子さんが、花粉症の患者さんはピロリ菌の除菌治療に失敗する確率が高いことを証明し、今年7月英文論文として発表しました。この発見のきっかけは、尾関さんが、主にあさのクリニックから処方される処方箋を取り扱っているうちに、「(ピロリ菌の除菌に失敗し、)二次除菌薬を処方される方には、花粉症の患者さんが多いのでは?」と感じたところに端を発しています。着眼点、発想の鋭さには驚きます。私は、データを提供したということで、共同研究者として名前を連ねていただきました。

Association of Hay Fever with the Failure of Helicobacter pylori Primary Eradication.
K Ozeki,T Furuta,M Asano,T Noda,M Nakamura,Y Shibata,E Okada,T Ojima
Intern Med 55: 1729-1734, 2016

このニュースは、静岡新聞でも紹介されました。

論文はこちらから閲覧・ダウンロードすることができます。

 

11月 日本大腸肛門病学会で痔核治療の講演を行います

11月13・14日に名古屋で開催される第70回日本大腸肛門肛門病学会で、講演を行う予定です。

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私の課せられたテーマは、「若手医師のための痔核治療」

自分はまだ若いと思っていたら、「若手医師向け」の話を依頼されれてちょっと妙な感じです。

日本における痔核(いぼじ)の治療は、これまで欧米とは少し異なる発展を遂げてきました。50年くらい前まで、世界ではとっくに廃れた術式(ホワイトヘッド法)が行われていて、今でもその手術を受けて調子の悪い患者さんの治療を行うことがあります。先人の努力で、現在では世界標準の手術が行われており、最近では、日本から新しい術式が世界にむけて発信されています。

肛門手術の良し悪しは、手術後の痛みや社会復帰までの期間、手術中の出血量、手術時間、手術後の合併症や再発など多面的に評価されますが、最も重要なのは、患者さんが手術を受けてよかったと思うかどうか、つまり患者さんの満足度です。

今回、当院で肛門手術を受けられて半年以上経過した約250人の方に郵送でアンケート調査を行いました。多くの方に回答をいただき、満足していただいていることがわかり、とても嬉しく思いました。今回の講演でも、当院の術式と共に報告する予定です。アンケート結果の詳細は、別途ホームページで紹介して行く予定です。

この学会への参加のために、11月12日から15日まで休診となります。(12日木曜日は定休日、15日は日曜日) 大変ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

大腸癌研究会の全国登録データの集計作業を行いました

2006年に日本で治療を受けた大腸がんの患者さんのデータの集計が完了しました。大腸癌研究会全国登録委員会の一員として、日本の大腸がん治療をリードする約80施設から集められた大腸がん患者さん約8000人のデータについて、年齢やステージ、リンパ節転移、生存率などさまざまな角度から400以上の表にまとめました。

今回のデータは、治療後5年以上の治療経過を反映させるために、8年前に治療を受けた患者さんのデータで、大腸癌取扱い規約第6版に従ったデータです。(現在第8版まで改訂されています)

大腸癌研究会では1974年からの大腸癌治療症例を集積してきています。これまで日本における大腸癌の治療指針や規約を決める際に重要な役割を果たしてきました。また、このデータを利用した論文も複数書かれています。わたくしの解析担当は1999年の治療症例からで、今回で5回目となりました。近日中に小冊子にまとめられ、大腸癌研究会の会員施設に配布されます。これまで、この冊子は会員施設でしか見ることができませんでしたが、PDFとしての公開などが検討されています。このデータが、有効に活用されることを望みます。

 

大腸癌研究会全国登録のデータが論文となりました

今年になって栃木県立がんセンター研究所長の固武健二郎先生が、立て続けに3本の英文論文を書かれました。(下記:クリックすると英語抄録を読むことができます。)これらの論文はすべて大腸癌研究会全国登録委員会が集積した日本の大腸癌患者さんのデータを解析したものですが、私がこのデータ解析に携わったことから、共著者として名前を連ねていただきました。大腸癌研究会会長・東京医科歯科大学教授の杉原健一先生などとも一緒に名前を連ねさせていただき、大変光栄です!

 

 

1:Gender differences in colorectal cancer survival in Japan. Kotake K, Asano M, Ozawa H, Kobayashi H, Sugihara K. Int J Clin Oncol. 2015 Jul 7.

2:Influence of extent of lymph node dissection on survival for patients with pT2 colon cancer.Kotake K, Kobayashi H, Asano M, Ozawa H, Sugihara K. Int J Colorectal Dis. 2015 Jun;30(6):813-20

3:Tumour characteristics, treatment patterns and survival of patients aged 80 years or older with colorectal cancer.Kotake K, Asano M, Ozawa H, Kobayashi H, Sugihara K. Colorectal Dis. 2015 Mar;17(3):205-15

私は1999年~2005年の6年間に手術された約4万5千件の大腸癌患者さんのデータをこれまでに4回に分けて解析する作業を担当しました。データは国立がん研究センターをはじめとする大腸癌研究会に所属する全国の病院から集積されました。解析する項目は200以上に上り、その都度報告集としてまとめられます。

 

私の解析結果は、無味乾燥な数字の羅列でしたが、今回、固武先生によって、極めて価値のある知見が見いだされました。1は日本人の大腸癌患者さんの生存に関する性差を明らかにしたもの、2は結腸癌の手術の際に、リンパ節をどのレベルまで切除すべきかを明らかにしたもの、3は80歳以上の大腸癌患者さんの特徴を明らかにしたもので、特に2は日本の大腸癌治療のガイドラインにも影響する内容となっています。

高塚駅北口がオープンしました

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待ちに待った高塚駅北口が、3月1日オープンしました。JR高塚駅からあさのクリニックへのアクセスがシンプルになり、徒歩5〜6分となりました。
これまで、JR東海道本線を利用して来られていた方には、南口から大きく回って地下道を通っていただいておりましたが、これからは、北口から北へ進み、小さな交差点を左折するだけです。もちろんタクシーもご利用ください。
浜松市内の方でも、浜松駅から東海道本線に乗れば、一駅で所要時間5分、運賃190円、待ち時間最大約20分です。状況に合わせて是非ご利用ください!

「すべて解説 おなかとおしりを快適にたもつヒ・ケ・ツ」

3月29日(日曜日)13:30から、アクトシティ浜松コングレスセンターで、杏林堂健康セミナーの講演を行うことになりました。タイトルは、「すべて解説 おなかとおしりを快適にたもつヒケツ」。私の専門領域である胃腸と肛門の病気について、約2時間にわたり、私がわかりやすく解説します。

参加は無料ですが、事前の申し込みが必要です。ご案内チラシと申し込み書はこのページからダウンロードできます。また、杏林堂ドラッグストアの店舗、あさのクリニックにも申込書があります。必要事項を記入して、3月16日までに、杏林堂ドラッグストアにお届けいただくか、ファックスまたは郵送してください。郵便はがきでの申し込みでも結構です。1枚の申込書で複数の方の申し込みが可能です。ペアやグループでお越しになる場合は代表者お一人が申し込んでいただき、同伴の方の人数もご記入ください。詳しくは、チラシと申し込みををダウンロードしてご覧ください。

ご案内チラシダウンロード
申込書ダウンロード

さてこの講演会、杏林堂のご厚意により、今年で4回目となります。昨年(2014年)も3月に開催され、大雨の天候にもかかわらず200名を超える方が参加されました。以下は昨年の写真です。

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講演で聞きたいことや質問事項があれば、申込書の参考欄にお書きください。講演の中で解説いたします。

今年は、これまでの参加者からの声を参考に、途中休憩を2回挟み、ゆったりとしたスケジュールで進行します。また、2回目の休憩後の第3部は、参加者からの質問にお答えする時間を設けました。是非、ご家族やお知り合いとお誘いあわせの上、ご参加ください!

(2013年まで私も参加していた、がん情報局主催の「大腸癌市民公開講座」(パネルディスカッション形式)は、諸事情により開催されなくなりました。)

大腸癌研究会に参加しました

1月22日と23日、東京で開催された第82回大腸癌研究会に行ってきました。

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23日金曜日は臨時休診とさせていただき、患者様にはご迷惑をおかけしました。
その分しっかり最先端の情報を得てきましたので、今後の診療に生かそうと思っています。

この研究会は、日本の大腸癌に関するガイドライン取り扱い規約を決める大変権威ある組織で、1年2回、定例の学術集会を開いています。私は、数年前から、日本全国の大腸癌治療例のデータを集計する全国登録委員会のメンバーとして関わっています。また、自らの大腸癌治療例のデータを集計して発表してきました。
開業してから2年近く発表から遠ざかっていましたが、今回、久しぶりに早期直腸癌の内視鏡的治療例について発表しました。今回の研究会のメインテーマは、腹腔鏡手術と内視鏡治療でした。

今回私の得意領域である内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)について、松田病院での治療成績をまとめて報告しました。 20121213kitteIMG_2461

大腸早期癌は大きく2つに分けられます。粘膜だけにとどまっているごく早期の癌と、腸の筋層の一歩手前の層まで入り込んだ癌です。後者は「SM癌」とよばれます。内視鏡で切除した癌が、SM癌であった場合、そのあと腸切除の手術を追加するかそのまま様子を見るかという問題は、昔から議論を呼んでいます。いろいろなことが分かってきて、無駄な手術はかなり減ったのですが、それでもまだ本当に必要な条件は絞り込まれていません。

今回私は、一昨年(2013年)9月までに私が松田病院で行った大腸ESD412例を集計し、特に直腸癌の再発症例について検討しました。詳細は専門的になるので省略しますが、私の発表と同様に直腸SM癌の再発についての報告がほかの大きな施設からもあり、この分野での更なる研究成果の集積が望まれると思いました。

今回の研究会では、SM癌のリンパ節転移に関する新しい大規模なデータが公表されました。今後のSM癌内視鏡的切除後の治療方針決定に若干役立つ可能性があります。また、特に直腸癌については、複数の施設の知人医師から新しい治療指針を試みているという情報を得ることができました。まだまだ目を離せない分野であることには間違いありません。

これからも大腸癌については、最先端の情報をもとに、クリニックでの診療を継続していきたいと思っています。また、自らのデータをまとめて、医学の進歩に少しでも貢献していきたいと思っています。

当院の2014年の大腸検査のまとめ

あけましておめでとうございます。
昨年も多くの方に当クリニックをご利用いただき、ありがとうございました。
さて、今回は、ちょっと真面目に(専門的に)、昨年1年間の大腸検査について振り返ってみます。

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昨年1年間に、延べ1389人の方が当クリニックで大腸内視鏡検査を受けられました。(すべての検査を私が行っています。)
検査の種類別では、全大腸内視鏡検査1281人、S状結腸内視鏡検査108人でした。全大腸内視鏡検査とは2リットルの下剤を飲んで眠っている間に大腸全体をみる検査、S状結腸内視鏡検査とは下剤を飲まずに多少便が残っていても大雑把にS状結腸までみる検査です。
当クリニックの「腺腫発見率」を計算してみました。
腺種発見率とは、大腸内視鏡検査を受けた方のうち、将来癌になる可能性のある「腺種」や「癌」の発見された方の割合のことです。過形成性ポリープや炎症性ポリープなど、癌になる可能性が極めて少ないポリープを除いて計算します。
腺種発見率は、検査を行っている施設や、検査医の精度を反映する数値であることが知られています。腺種発見率があまりにも低い場合には、見落としが多いとみなされます。ある論文によれば、女性患者で15%以上、男性患者で25%以上が検査の質の適正な指標になると指摘されています。実際、腺種発見率の低い医師に検査を受けても、将来大腸癌で亡くなるリスクを減らすことできないことが以前からデータの分析から指摘されていました。最近、アメリカから発表された論文でもそのことが裏付けられました。

さて、あさのクリニックで全大腸内視鏡検査を受けた方のうち、1つでも腺種または癌が発見された方は439人でした。「腺種発見率」は、34%ということになります。精度的には結構高いことを示しています。
ちなみに発見された大腸癌の方は31人でした。そのうち早期がんが24人で、当クリニックで内視鏡的切除を受けて完治しました。ほとんどが発見されたときに切除されました。もちろん全員日帰りで治療終了ですす。他の病院に紹介されて手術を受けた7名の方も元気に回復されています。

一人でも多くの方を大腸癌から守るため、皆様のご希望に添えるよう、今年もがんばります。
本年もよろしくお願いいたします。

遠江医学会に参加しました

本日、浜松グランドホテルで遠江医学会が開かれました。

この会は、明治37年から続く伝統ある会で、今回で128回を数えます。小笠郡以西の病院、クリニックの医師が、診療科の枠を超えて研究発表を行う場で、最近では年に2回開かれています。私は松田病院勤務中は、毎回のように自分の研究結果を発表していました。あさのクリニック開業後も、昨年、ピロリ菌感染と内視鏡初見、除菌治療の成績などを発表しました。
昨年から、庶務幹事を仰せつかり、裏方でお手伝いさせていただいています。小児科、整形外科、脳神経外科、産婦人科、呼吸器内科、消化器外科、心臓外科・・・と色々な診療科の先生が次々に発表しました。内容は最先端の技術の集計や、教訓的な診療の紹介、診療の工夫など様々です。28題を聴講し、みっちり勉強しました。次回、来年6月には、私も最近の研究成果を発表しようと考えています。
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大腸肛門病学会に出席しました

11月7日と8日は横浜で開かれた日本大腸肛門病学会学術集会に出席しました。前日の6日には学会評議員会も行われましたので、3日間横浜に滞在しました。
木曜日は通常の休診日でしたが、金曜日と土曜日の2日間休診としましたので、患者様や関係業者の方には大変ご迷惑をおかけしました。
ところでこの学会は、大腸肛門領域の内科医、外科医、病理医が、診療科を超えてディスカッションする大変ユニークな学会です。まさに私の専門領域と一致しています。年に1回開催されており、今回で69回目です。私は第49回から、毎年参加しています。4年前の第65回は、松田病院の院長松田保秀先生が会長を務められ、浜松で開催されました。そのとき私は事務局長として学術集会を陰でサポートしました。寝る間を惜しんで準備に奔走したころを思い出しました。今回の学術集会も、さまざまな興味深い企画が盛り込まれており、大変勉強になりました。特に、大腸癌・潰瘍性大腸炎・肛門疾患についてのセッションを選んで、2日間、朝から夕方までびっちり勉強することができました。2日目には、大腸良性疾患のポスターセッションで、座長を依頼され、6つの演題の司会を務めました。また、これまでに知り合った全国の多くの先生方と久々に交わる機会を得ることができ、大変有意義でした。
これまでこの学会には、毎回2~3演題の発表を続けてきましたが、昨年と今年はクリニック開業後の多忙を理由に演題の応募はお休みしました。今後は少しずつ当院のデータを発信していきたいと思っています。

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